広東語の難しさは、その「音節」にあると思います。日本語はひらがな一文字分が一音節ですが、広東語は漢字一文字が一音節です。その音節は「声母」と「韻母」と「声調」によって成り立ちます。その要素をひとつずつ簡単に説明していきましょう。

声母

音節の最初に来る音です。いわゆる「子音」と思ってもらっていいと思います。日本語とは発想を変えてもらう必要があります。日本語は濁音と清音を区別しますが、広東語では有気音と無気音を区別します。記号で書くと"p"と"b"等なんですが、有気音は息を強く出しての音、無気音は息を出さずの音です。つまり、発音のアルファベットはローマ字読みしてはいけない。と言うことです。
例えば、”p”と”b”に”a”をつけて発音すると”pa”は「ぱー」と息を強く出す音で”ba”は「ぱー」と息を出さずに発音する。と言う感じの違いになります。対立のある音に関しては、有気音の「英語の発音」の音をベースに息を出さずにその対立した無気音を発音するようなイメージではないかと思います。その他の声母も「英語の発音」をイメージすればうまくいくでしょう。

声母の有気音と無気音の対立表
有気音 p
t
ch
k
kw
無気音
b

d

zh

g

gw

そのほかの声母( yとwは半母音声母)
m n f l s g
k h ng y w

韻母

まず、いわゆる母音の数が7つあります。「あいうえお」以外に「い」と「う」の間の音 (「い」と言いながら口を「う」にすれば発音できます)、「え」と「う」の間の音って かんじでしょうか。(「え」と言いながら口を「う」にすれば発音できます) それにふたつの母音等を組み合わせて発音する「複合母音」を合わせるとなんと、50種類以上におよびます。といっても、七つの単独母音、母音同士の2音と 母音プラス韻尾(いんび)と呼ばれる子音を組み合わせているだけなので 慣れればなんでもないです。(はずです。)注意事項としては”a”が複合母音になるとき長音と短音を区別します。 つまり「あーい」と「あい」は違います。ここでは “aai”と”ai”等として区別します。

広東語の短母音
a 日本語の「あ」より少し大きく口をあけて発音。
e 日本語の「え」よりも唇を左右に引いて発音。
o: 唇を丸めて”e”の発音。
o 日本語の「お」よりも唇を少し丸めて発音。
i 日本語の「い」よりも唇を左右に引いて発音。
u 日本語の「う」よりも唇を突き出す感じで発音。
u: 唇を丸めて”i”の発音。

母音の後に来る”p”,”t”,”k” の音は発音しません。数字の「八」”baat3″と「百」”baak3″はbaaの 後に来る”t”と”k”の舌の位置、口の開き方、息の音で区別してい ます。間違いなく、最初は一緒に聞こえますし、区別して発音するのは難しいです。 意識して発音する。意識して聞こうとする。そうすると耳が慣れてきます。 これらは、「入声韻尾」といいます。そして、「鼻音韻尾」と呼ばれるものもあります。入声韻尾と同様母音の後につく “m”,”n”,”ng”の音です。これらは息が鼻から抜けます。

広東語の韻尾
-m 唇を合わせて息は鼻から。
-n 舌の先を上の歯茎に当てて息は鼻から。
-ng 舌の後ろの方を上に持ち上げる感じで息を鼻へ。
-p 唇を合わせる。(破裂させない)
-t 舌の先を上の歯茎に当てる。(破裂させない)
-k 舌の後ろの方を上に持ち上げる感じ。(破裂させない)

声調

声調については6通りや9通りなど諸説ありますが、ワタシが最初に習った千島式の6通りの声調で紹介していきたいと思います。

千島式声調

声調は上の6種類です。日本語の「橋」や「箸」のように2音節にわたって高低が 変化するのではなく、1音節の中での高低です。世の中には話し声のトーンの高い人そうでない人もいますので、3声は「ミ」の音など、ドレミの音階などで、「絶対音」として高さを指定するような教え方やテキストがあるようですが、それでは音痴の人は話せないですよね?(笑)音階というよりは相対的な音の高低と言うべきで、たとえば3声が普段の高さの音(トーン)とすれば、 わかりやすいのではないでしょうか。

いずれの音も上手く発音するポイントは「口を大きく動かすこと」。日本語は口の運動量が 少ないので、そのせいか、はじめは口が疲れます。まずはスピードよりも正確さを心がける べきでしょう。徐々に広東語用の口の「筋肉」が鍛えられてきます。

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